鉄道唱歌 奥州・磐城編 第48番 トンネルをいくつかくぐり、遠くには海の景色

鉄道唱歌 奥州・磐城編の歌詞(常磐線のトンネル)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

しば/\くゞるトンルを
出てはながむる浦の波
岩には休むかもめあり
沖には渡る白帆しらほあり

さらに読みやすく!

しばしばくぐる トンネルを
出てはながむる 浦の波
岩には休む かもめあり
沖には渡る 白帆しらほあり

さあ、歌ってみよう!

♪しばしばくーぐる トンネルをー
♪でてはながむるー うらのなみー
♪いわにはやーすむ かもめありー
♪おきにはわたるー しらほありー
(常磐線)
仙台駅→(※注1)→岩沼駅→相馬駅(旧・中村駅)→原ノ町駅→浪江駅→双葉駅(旧・長塚駅)→富岡駅→木戸駅→広野駅→久ノ浜駅→いわき駅(旧・平駅)→内郷駅(旧・綴駅)→湯本駅→泉駅→勿来駅→大津港駅(旧・関本駅)→磯原駅→高萩駅→日立駅(旧・助川駅)→常陸多賀駅(旧・下孫駅)→水戸駅→友部駅→石岡駅→土浦駅→松戸駅→北千住駅→南千住駅→日暮里駅(※注2)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※注1 仙台駅→岩沼駅は東北本線の区間
※注2 当時は田端駅が終端

広野駅を過ぎて、いわき市方面へ

広野駅(ひろのえき、福島県双葉郡広野町)を過ぎると、線路は徐々に海岸寄りになっていきます。

歌詞にあるように、

トンネル→海→トンネル→海・・・

のような景色になります。

常磐線に入ってから、ようやく初の海の景色

常磐線は、いわゆる陸前浜街道(りくぜんはまかいどう)に準拠した路線になります。

しかし、実は仙台の南にある

  • 岩沼駅(いわぬまえき、宮城県岩沼市)

から常磐線に入って以来、ここでようやく最初の海の景色になります。

常磐線では、言うほどそこまで海辺を走るわけではない

常磐線における

岩沼→相馬→原ノ町→広野

の区間は、海から離れた位置に線路が建設されています。
おおよそ1km~5kmは海岸線から離れており、最も近い

  • 新地駅(しんちえき、福島県相馬郡新地町)

も、海岸から500mは離れています。

震災で被災した駅

なお、2011年の東日本大震災のとき、新地駅は津波により、完全に倒壊したそうです。
乗客は警察官の活躍により、全員避難して無事だったとのことです。

一つ北の

  • 坂元駅(さかもとえき、宮城県亘理郡山元町)

も海から比較的近く、津波で壊滅的被害を受けたようです。
まさか、あそこまでの津波が来るとは誰も予想できなかったのかもしれません。

津波の多い地域なので、あえて海から離れた位置に線路を作った?

なぜここまで海岸線とは遠い位置にあったのかはわかりませんが、もしかしたら津波対策もあるかもしれません。

他にも、例えば東海道線が一部を除いて海岸線から遠いのは、

明治時代に外国船からの砲撃を恐れたからだ

という説はよく知られています。
常磐線の場合も、そのような事情があったからかもしれません。

沖で休んでいるカモメ 旅の「一休み感」

歌詞では、

磯(いそ)には休んでいるカモメがいて、沖には白帆(しらほ)の船がいる。

とあります。

この番の歌詞も、少し「一休み」感がある内容で癒されますね!

「しば/\」「くゞる」などの表記について

二文字以上の繰り返しに、「/\」という表現を用いる

なお、「しば/\」という表記ですが、「/\」の表記は縦書きにすると「く」のような文字になります。




これは、昔は縦書きがメインであり、「」のような文字は「二文字以上の繰り返し」を意味するようになります。
現代ではこのような用法はないため、横書きするときはスラッシュ(/)とバックスラッシュ(\)で表現することになります。

他の例では、鉄道唱歌で馴染み深いものとして、縦書き









と書くと、「京都京都と呼びたつる」となるわけですね。
これを横書きで書くと、「京都/\と呼びたつる」というように、スラッシュ(/)とバックスラッシュ(\)で表現するわけですね。

京都に関しては、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

「くゞる」という表記について

くゞる」という表記で用いられる「ゝ」という表記も、1文字の繰り返しで使われる記号です。
ゝに濁点をつけて、「くぐる(潜る)」となります。

「トン子ル」という表記について

また、「トン子ル」という表記も、トンネルを表す表記になります。
」は「」とも読めます。

いわゆる十二支(じゅうにし)において、子丑寅(ね、うし、とら)・・・と読みますよね。
子はねずみ年のことをいいます。

また、トンネルの古い言い方に「隧道(ずいどう)」という表現もあります。

カモメ・サギ・白鳥 似たような鳥を、あなたは区別できる?

磯には休むカモメあり」の件で、列車から窓を見渡すと白い鳥がいて感動することがありますよね。
白い鳥には主にカモメ、サギ、ハクチョウなどがいますが、似ているようで異なります。

以下に、カモメ、サギ、ハクチョウの簡単な見分け方を列挙します。

  • カモメ(鴎)→首が短い
  • サギ(鷺)→首が長い、くちばしが長い
  • ハクチョウ(白鳥)→首が長い、くちばしが黄色い

私は昔はこんな知識なかったので、列車に乗っていてサギに対しても白鳥だ!と言っていました。
みっともないですね・・・。

次は、久ノ浜駅・いわき駅へ

次は、久ノ浜(ひさのはま)方面へ向かっていきます!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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